レバレッジド・バイアウト 買収先の企業の資産や収益力を担保にして買収資金を調達

レバレッジドバイアウト(Leveraged Buyout)

企業買収(M&A)の手法。買収先の企業が有する資産や収益力(将来のキャッシュフロー)を担保に融資を受け、その資金で企業を買収する。

企業買収というシェア拡大戦略

企業が市場シェアを高め、競争に勝つための一番シンプルな答えは、巨大化して資本を拡大すること。そうすれば、同業他社も必要とする原料の調達先から、原料を根こそぎ買い入れることもできるし、部品調達を行う企業の取引を独占して川上事業の統合も可能になる。あるいは、販売経路などの川下事業統合も、顧客の選択肢を減らし、ライバルの駆逐に効果的だ。

この時、対象事業を担う企業の合併・買収(M&A)ができれば、体制はさらに盤石になる。周辺事業を統合して競争環境をクリアにしたり、ブランドを統合して市場におけるより多くのセグメント(特定の顧客層)を押さえることも可能となる。

つまり、ライバル企業や関連企業の株式を買い集めて買収することは、戦略として重要な選択肢の一つと言える。当然、新しい事業に進出する際も、人材やノウハウ、認知度や信用(のれん)を一気に手にできる手段だ。

買収先の企業の資産や収益力を担保にする

価値のある企業を買収するには巨額の資金が必要だ。自社でまかなえればベストだが、それが難しい場合は、融資を受けて動くことになる。レバレッジド・バイアウト(LBO)は、その買収資金の調達方法の一つだ。

融資では、債務者が債務返済できない場合にそなえて担保が必要。LBOでは、買収先の企業の資産や将来手にするだろう収益(キャッシュフロー)をその担保にする。つまり、買収を実行した企業は、必要に応じて買収先の企業が持つ資産を売却した代金や、買収した事業の売上を返済にあてる、ということになる。

LBOは回収リスクが高いため、通常、金利も高めとなる。しかし、買収する側は資金力がなくても行動に移せるというメリットがある。小さい企業もテコの原理(レバレッジ)で大きな買収を成功させられるというわけだ。

JTはRJRナビスコの海外煙草部門を9700億円で買収したが、うち6000億円をLBOで調達。ソフトバンクはボーダフォンを一兆7000億円以上で買収したが、一兆2000億円をこの方法で調達し、同様にスプリントも手に入れた。2005年に旧ライブドアがニッポン放送を買収しフジテレビを傘下におさめようとしていた時も、買収資金3000億円はLBOであつめたと言われる。

レバレッジド・バイアウトの流れ

①買収用の法人を作る(SPC)
②SPCが企業を買収
③買収した企業(子会社)の収益で返済
④事業の拡大

要するに

●資金力の低い企業が、事業拡大のために大きな買収を成立させたい時にとる方法。

●買収先企業の資産や将来の収益を担保に融資を受けるため、融資する側のリスクも高く、金利は通常よりも高くなる。

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