アメーバ経営 数人単位の「アメーバ」に分けて考える現場を作る

アメーバ経営(Ameba Management)

「アメーバ」と呼ばれる10人前小集団に組織を分割し、それぞれに業績を問う経営手法。京セラを創業した稲盛和夫が創始した。

10人前後の「アメーバ」がそれぞれ考え、動く

事業部制やカンパニー制は、部門ごとの経営意識を高め、事業の当事者として、より積極的に業務改善や営業活動に関わる姿勢を引き出す為にとられる社内組織調整法だったと言える。この経営意識をさらに高め、全員参加経営を実現する経営手法が、京セラの創業者である稲盛和夫氏が創始したアメーバ経営だ。京セラのほか、経営破綻に陥った日本航空も導入して再上場を果たした。同社の会長に稲盛氏が就任したことがそのきっかけだ。

アメーバ経営の最も特徴的な点は、会社組織全体を10人前後のアメーバと呼ばれる小集団に分けること。そして、各アメーバに業績の向上を求めることで、一人ひとりが考えざるを得ない状況を作り、行動を促していく。各アメーバ間には、競争原理が働くため、生産性を高めようとして創意工夫がもたらされるのだ。

各アメーバに採算を問いチャレンジ精神を養う

アメーバ経営の目的及び効果には、①部門別採算制度、②人材の育成、③全員参加経営の実現の3つがある。

①は、アメーバ経営を通してより小さな経営課題が見つかることで実現される。アメーバ間の協業にも売買という概念を取り入れることで、アメーバごとの採算表を作成。どのアメーバが成果をあげているのかが一目瞭然となるため、業務全体を効率化させようという採算意識が浸透する。②は、10人前後という小チームの中に役割分担が生まれ、中小企業が集まって仕事をしているような環境が作り出されることで実現する。各アメーバのリーダーは経営計画、実績管理、労務管理、資材発注などをしなければならず、メンバーはそのサポートを求められる。大企業にありがちな「自分の仕事以外には無関心」という状況が生まれにくく、逆に「目標達成には何でもやらないと」という意識が高まり、鍛えられるのだ。

その結果、③の全員参加経営が実現される。会社の方針や目標は、社員一人ひとりには数字が大きすぎたりして共感しづらいが、それを全体でクリアするためにアメーバ単位での目標が設定される。目の前の目標をチームでクリアする事で一体感や達成感を味わえるので、成功体験を重ねやすい。結果、やりがいや自信を得られるようになっていく。アメーバ経営は、現在、医療・介護の現場などでも導入され、成果を上げている。

アメーバ経営の目的と効果

●経営陣(各アメーバの達成度合いを点検)

●部門別採算制度
・小さ単位の経営課題が明確化
・現場の隅々まで実態が分かる
・一人ひとりの採算意識が高まる

●人材の育成
・知恵を絞り、挑戦するマインドが高まる
・目標達成に対する責任感が高まる
・タイムリーに的確な経営判断が下せるようになる

●全員参加経営
・現場の知恵を豊富に集められる
・目標達成の喜びでやりがいが育つ
・職場に一体感が生まれ、コミュニケーションが活発になる

要するに

●会社組織を10人前後の小チーム「アメーバ」に分け、それぞれが責任を持って成果を出すように求める経営手法。

●従業員の採算意識が高まり、能力も多角的に開発される。経営意識を育て、仕事へのやりがいや誇りを醸成する。

【広告】
  • このエントリーをはてなブックマークに追加