リーン・マネジメント 最小限の経営資源で最大限の顧客価値を生む

リーン・マネジメント(LeanManagement)

製品の生産工程を徹底して改善して効率化をおこない、より付加価値の高い商品・サービスを顧客に提供する手法のこと。

組織全体で無駄な工程を省いて高い生産性を目指す

リーンとは英語で「贅肉がなく引き締まっている」状態という意味。製造業でいえば、無駄なプロセスを省いた、生産性が高い状態を意味する。リーン・マネジメントの源流は、無駄を徹底して省き、かんばん方式という名で知られたトヨタ生産方式。トヨタの競争力を研究した米国マサチューセッツ工科大学のジェームズ・P・ウォマックたちが、その方式を一般化して「リーン生産方式」と呼んだ。ただ、最近では、様々な業界・業種で採用する組織が増えているため、リーン生産方式ではなく、リーン・マネージメントと呼ばれるようになった。

リーン・マネジメントの実践は細かな改善の連続だが、狙いは、短期的なコストカットや単なる現場の工夫ではない。むしろ経営哲学や組織全体の思考を変えることにある。組織全体で自分たちの顧客を特定して、顧客にとって価値あるものを共有する。価値を生まない業務活動は「ムダ」と定義して徹底的に削減。顧客に付加価値を与える事に経営資源を集中して、生産性を高めるのが目的だ。

トヨタ・ホンダから移民局やベンチャー企業まで導入

リーン・マネジメントのポイントは完璧を目指すこと。業務プロセスは互いに影響し合うため、1つのプロセスで妥協すれば、それは最終的に商品影響を与えてしまう。すべてのプロセスで試行錯誤を繰り返すことが大切だ。リーン・マネジメントを導入する代表的企業は、トヨタやホンダなど日系の自動車会社。顧客のニーズにあった高品質の自動車を、より早く市場で販売できるという日本企業の強みの源泉だ。

ただ、異業種でも実践する企業・組織が増えている。例えば、スウェーデンの移民局は、難民申請の受付→審査→認定という流れをひとつのプロセスとしてとらえ、リーン・マネジメントを導入。その結果、難民申請の審査時間を大幅に減少させることに成功した。

リーン・マネジメントをベースにしたリーン・スタートアップという手法もある。リーン・スタートアップでは、「完成度の高い」製品開発を目指さない。代わりに自分のアイデアのプロトタイプ(原型)作りを優先、実際に顧客にテストしてフィードバックを原型に反映していく。こうして、一般的な起業に必要な初期費用や事業計画書作成の労力を削減。少ない経営資源をできるだけ効率的に使って起業する方法だ。

●無駄の排除でアイドル時間を減らすかんばん方式!

ようするに

●顧客に付加価値を与える事に経営資源を集中して、生産性を高める。
●短期的なコストカットや単なる現場の工夫ではなく、経営哲学や組織全体の思考を変えて「待ち時間」を削減する。

ただし!

同じものを大量に生産し、仕掛りを多く持ち、在庫をバッファーとして生産を調整してきた企業の場合、これまでとは方法論が全く違うので導入するには相当の覚悟が必要となる。一旦形式的に導入したとしてもしばらくすると元に戻るということがよく起こる。

後工程から前工程に情報が流れていくことになるので、作れば売れるという体質から抜けられない企業の場合導入は難しい。特に装置産業のように固定費を稼ぐために多少の赤字でも製造をしなければならない体質の企業は現状に合わせたカタチで導入しないと危険である。

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