サステナビリティ経営 地球環境を持続させるために経営資源の使い方を変える

サステナビリティ経営(Sustainability Management)

地球の持続可能性を損なわない形で企業活動を実践することを経営戦略に盛り込み、実践するマネジメントのこと。

学術的、戦略的な取り組みが広がる

サステナビリティとは、「持続可能性」。地球が持続し続け、社会が持続し続ける可能性のことだ。地球や社会が持続し続ける能力とも言える。サステナビリティ経営とは、地球や社会のこうした能力を損なわないように企業活動を推進しながら、収益を上げていく為の経営方針だ。

サステナビリティについては、北欧を中心に学際的な研究が進んでおり、地球物理学や熱力学、経済学や心理学と言ったあらゆる学問の成果を投入して議論されている。日本では「地球を大切に」「環境にやさしい生活を」などと情緒的に語られたり、排ガスを減らすような環境技術が重点的に注目されがちだが、サステナビリティ経営は近年、国際的な企業を中心に、より戦略的に取り組まれている。企業の評価に大きく影響する上、業務改善や意識改革を伴う為、中長期的な努力が必要だからだ。

地球の劣化に加担しないビジネスモデルが必要

企業活動が地球や社会のサステナビリティを侵害しないためには、それを脅かす4つの構造に加担しないことが大切。地球は全体として、質量が保存され、熱エネルギーの収支もあっているため、安定した環境に保たれるようにできている。この地球環境というシステムのバランスを壊す企業活動を行わないことがサステナビリティ経営では重要だ。

例えば、製紙会社には木材を消費するのと同じペースで木を育てる活動が求められる。イケアは廃棄物を最小化するため、現場の声を吸い上げる体制を作った。レゴは、サステナブルなブロックの原料開発のため180億円もの投資を行っている。カゴメはトマト原料の国産化の拡大に取り組んでおり、花王は環境保全活動の費用とその効果を環境会計として発表している。

また、国際企業が発展途上国から原料を不当に安く買い上げることは、「生存」や「自由」と言った彼らの人間の基本的ニーズを満たすことを妨げる原因となり、社会の持続可能性を阻む四つ目の構造への加担を意味する。そうならないように、正当な価格での取引(フェアトレード)などのビジネスモデルが必要だ。

いち早くそれに取り組んだのがザ・ボディショップ。地域の小規模農家や職人との取引を彼らが自立した生活を営むに足る価格で行うことで、持続的な取引を可能にし、企業としての尊敬を集めている。

地球の持続可能性を損なわずに収益を最大化する

●地球のサステナビリティ(持続可能性)を阻む4つの構造

①地殻から掘り出した物質の濃度が、社会や自然環境に増え続けていく構造
→飲料のアルミ缶、電池の水銀やカドミウム、建築物の鉄骨など

②社会で作られた化合物の濃度が、社会や自然環境に増え続けて行く構造
→ポリ袋、自動車の排気ガス、原子力発電所の放射性廃棄物など

③自然環境が物理的な方法で劣化し続けていく構造
→レジャー開発、森林伐採、魚介類の乱獲など

④自分のニーズを自分で満たすための方法や能力が奪われていく構造
→外国人労働者の酷使、途上国からの原材料の安価な買い上げ、画一的で過酷な働き方を要求する労働制度など

●サステナビリティに貢献する経営
サステナビリティを意識した経営実現のステップ(ABCDプロセス)

A:認識とビジョンの共有(Awareness)
上の四つの構造を理解し、環境や社会の理想的なあり方について理解する。

B:現状分析(Baseline assessment)
事業において、持続可能性の原則に反している部分はどこかを探りだす。組織や事業の強みもあわせて探る。

C:創造的な解決策(Creative solution)
①持続可能性を実現した事業活動の姿をイメージし、②そのイメージとBステップで分析した現状とのギャップを埋めるアイデアを様々に考える。

D:優先順位づけ(Decide on priorities)
ステップCで導かれた解決策に優先順位をつけて取り組む。「この対策は、持続可能性のビジョンへ向かっているか?」「制度や社会環境の変化に対応する柔軟性がある対策か?」「投資に対して十分なリターンを生むか?(財務、環境、社会貢献において)」を問いながら進める。

要するに

●地球と社会の持続可能性(サステナビリティ)を損なう活動に加担しない方向に企業活動をシフトする

●人間も地球の一部。取引相手の人々がニーズを実現するのを妨げず、生活の質が保たれるよう誠実な取引を行う。

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