ファブレス化(グローバル化) 生産を外部委託することで業務の効率化を図る

ファブレス化(Fablessbusinessmodel)

自社では工場を持たずに商品・サービスのデザインや企画開発を行い、生産は外部の工場に委託する経営手法のこと。

生産のアウトソーシングで効率化を図る

ファブレスとは英語でfab(fabirication facility:製造工場)がない(less)という意味。メーカーが生産を外部委託(アウトソーシング)するメリットは主に四つある。一つ目は、多額の投資が不要になること。工場建設や働き手の確保のためには資金が必要だ。でもファブレス化すれば資本力の小さい企業でも製品を商品化できる。

2つ目は撤退時の傷が浅いこと。企画の失敗や消費者の嗜好の変化のせいで販売不振となっても、委託のキャンセル料だけで撤退でき、液晶パネル生産工場への投資で多額の損失を被ったシャープのような事態を避けられる。

三つ目は、顧客ニーズの変化に対応しやすいこと。企画した商品に合った委託先を選ぶことができる。流行の商品なら、スピード重視で委託先をえらべばいい。

四つ目は、生産の委託先間で競争原理が働くこと。複数の委託先で競争が起きれば、自社で厳しい経営努力をせずにコスト削減や品質向上を目指すことができる。

最先端の企画では細心の情報管理が必要

一方で、ファブレス化にはマイナス点もある。例えば、情報漏洩のリスク。最先端の商品を企画しても委託先と交渉するうちに、内容が外部に漏れる危険がある。また、企画した商品の生産に高度な技術が必要な場合には、期待通りのコストや品質で生産を受注してもらえない懸念もある。

ファブレス化で成功した代表例はAppleだ。米国に本社を置くアップルでは主にiPhoneやiPadの仕様やデザインを決める。製造自体は台湾や中国などの海外の企業に委託して成功を収めた。

日本では、センサーなどの計測機器を開発・販売するキーエンスがファブレス化の代表例。アップルと同様に、製品開発に特化して、自ら市場を創造し、他社との差別化を図っている。その結果、50%超(2015年3月期)という高い収益率を達成している。

ファブレス化は市場の変化が激しい業種で有効な手法と言える。半導体業界のほか、技術革新のスピードが早いデジタル機器業界や、流行の波が激しいアパレル業界、ゲームソフト業界にファブレス化を採用する企業が多い。USBメモリーなどパソコン周辺機器で知られるエレコム、スポーツメーカーのナイキ、Wiiなどのゲーム機でおなじみの任天堂もファブレスメーカーだ。

●ファブレス化はいまやグローバルに展開!

ようするに

●生産設備をもたないおかげで、市場や材料調達・製造環境などの変化に柔軟に対応できる。
●常に他社との協業体制を取るため、情報漏洩のリスクに気をつける必要がある。

ただし!

・信用できる外部委託先を見つけ、育てなければいけない。
・製造を委託することになれば製造ノウハウ自体は外部委託会社に蓄積され自社には残らず、自社での生産効率化技術は育ちにくくなる。
・いわゆるパクリや横流しは発生すると考えて対策しておかなければならない。
・これまで自社で実施していた製造工程を外部委託する場合には、その部門の自社の人員を削減することになるため、労務問題発生について考慮する必要がある。
・外部委託先との契約を厳重に取り交わしておかなければ危険である。
特に外部委託先が中国、韓国、東南アジア諸国など、政治的な問題が発生しやすい国にある場合は、いわゆるカントリーリスクがあると考えて対応する必要がある。

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