SPAモデル 消費者が欲しがるオシャレで安い服を豊富にスピーディに提供

SPAモデル(SpecialtystoreretailerofPrivatelabelApparel)

衣料品の小売業者が、衣料品の販売だけでなく、商品の開発、デザインmそして生産まで主導する方式のこと。

小売店だから分かる消費者の気持ち

SPAモデルは、小売業者がバリュー・チェーンの川上に進出する垂直統合の1例だ。元々衣料品は流行に左右されやすいため、リスクが高い事業。流行をはずすと大量に売れ残りが生じ、バーゲンセールとなってしまう。そのため、商品の企画・開発はアパレルメーカーが行い、資材調達は商社などの流通業者、販売はデパートなど小売店が行うという水平分業の形でリスク分散するビジネスだった。

こうした業界の常識を覆し、SPAモデルを最初に採用したのは米国のGAP(ギャップ)だGAPは本業の衣料品販売だけでなく、商品開発、デザイン、そして生産まで主導したのだ。一般的にSPAモデルの特徴は以下の通り。

1.顧客と直接やりとりをする小売業者が開発設計に関わるため、消費者の嗜好にあった商品を提供しやすい。

2.商品企画が多少流行からはずれたとしても、自社の判断で販促活動ができる。

3.企画から販売までの流れが単純化され、短時間で低価格の商品を提供できる。

4.世界中に多店舗展開することで、商品あたりの発注量を増やすことができる。

5.生産についてはアジア各国の工場と直接取引して、コストダウンを図る。

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SPAモデルを採用する企業の好調が続く

このようなSPAモデルで衣料品を低価格に抑え、世界的に大量生産・販売するファッションブランドを、ファストフードになぞらえて、ファストファッションとも呼ぶ。2015年5月時点のデータでは、ZARAなどを展開するインディテクス社は約2.4兆円の売り上げで業界世界一。その後をH&M、GAP、ユニクロなどが追随。いずれも一兆円を超える売上を誇り、前年度比でも売上は伸び続けている。

衣料品業界以外でSPAを導入した成功例がニトリ。1967年に北海道で創業したニトリは、家具販売が本来の事業領域だったが、現在は川上まで事業領域を広げ、資材調達から生産、物流、販売までを手掛ける。なお、ニトリ自身は自社のビジネスモデルを「製造物流小売業」と呼ぶ。

また、眼鏡業界にSPAモデルを持ち込んだのが、ゾフを展開するインターメスティックとジンズブランドを展開するジェイアイエヌ。相場では1本あたり2万円以上だった眼鏡を5千円から1万円程度まで引き下げ、低価格ながら高品質の商品をそろえて成功している。

●SPAモデルは企画・生産・販売の連携体制を単純化

◯従来のファッション業界
・水平分業による製品化と販売(各業者と連携)

(難点)
・企画が実現するまでに時間がかかる
・流行を先読みした商品開発が必要(当たり外れがある)
・中間マージンが多く、高くなりやすい

◯SPAモデル
・垂直統合による効率的な製品化(売り手が一手に引き受ける。製造業者は外注する場合も)

(利点)
・売り場でニーズを察知して製造に反映できる
・現場で企画化して数量を出すので売り切りやすい
・中間マージンが削減されるため、利益率up
・まずまずの品質の商品を割安に提供できる
・超短納期の製造で瞬間的な売れ行きに対応できる

ようするに

●小売店が自ら製品の企画・開発を行うことで、消費者ニーズの変化に素早く対応できる。

●ファストファッションが飛躍的発展をとげたため、他の業界でもSPAモデルを採用する企業が増えている。

ただし!

顧客ニーズを忘れ、ただ中間マージンだけを削減するという考えで実施すると、家電メーカーのように苦しむことになる。あくまでも顧客ニーズを迅速に満たす体制でなければ上手く行かない。顧客ありき、という姿勢は水平分業でも垂直統合でも同じことである。

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