プライベート・ブランド 系列店だけのオリジナル商品を企画して差別化を図る

プライベート・ブランド(Private Brand)

卸や小売といった流通業者が自ら企画して提供する商品ブランドのこと。ストア・ブランド(SB)とも言う。

競合店では売られないオリジナル製品の強み

プライベートブランドPBは小売業者による垂直統合(川上統合)の一例だ。SPAと違い、メーカーの協力を得る特徴がある。PBはナショナル・ブランド(National Brand、NB)に対抗する概念。NBとは、メーカーが商品に付けたブランドのこと。例えば明治製菓の「カール」、ロッテの「雪見だいふく」などだ。

PB商品を出すのは、独自商品により競合他社との差別化を図るため。NBはどの小売店でも販売されるが、PBが競合店に並ぶことはない。中間業者が不要となり、低価格で商品を提供できる。そのうえ、自社の判断で販売価格を決定できる。NBを販売するメーカーがあえて競合になるPBの生産を受けるのは、メーカーにもメリットがあるからだ。

例えば、

1.自社ブランド製品に近いPB製品を受託する事で生産量が増加する。
2.PBを企画した流通業者が製品を全て買い取るので売れ残りがない。
3.消費者に近い流通業者と交流することで消費者ニーズがわかる、

などだ。

低価格志向の高まりと品質の向上で普及

PBは世界中で普及している。市場調査会社のニールセンによると、PBの総売上にしめる割合は、世界全体の加重平均で16.5%以上。特にスイスが45%、スペインと英国が41%と、ヨーロッパが先行している。

一方、日本ではブランド志向が強く、PBは普通しないという予想も過去にあった。確かに1980年代に登場したイトーヨーカドーのカットプライス、ジャスコ(現在のイオン)のホワイトブランドなどは普及しなかった。

また、PBには

1.商品開発の手間やコストを販売側が追加的に負担する必要がある。
2.開発商品は自社ですべて買い取るため販売不振の場合は過剰在庫となる。
3.材料費の値上がりが販売価格に転嫁できないと自社の利益を圧迫する。

といった点でも難しさがつきまとう。

偉大な例外が、西友の無印良品。現在は単なるPBから独自の立ち位置を築いた。

PBが本格的に普及したのは2008年頃から。不況による消費者の低価格志向の高まりで躍進した。大型店舗を全国で展開する小売店の交渉力が増し、以前よりも品質が向上したことも大きな要因だ。

PBの市場規模は現在も拡大しており、2015年には2008年の1.5倍となる3兆円に達すると見られる。

●プライベート・ブランドの成功がもたらすメリット

◯ナショナルブランド
・製造業者のブランド名で販売
・大手メーカーが培った高い信頼性
・様々な売り場で全国的に展開
・有名ブランドだから安心
・別の店のとの競争がある

◯プライベートブランド

(メーカーの利点)
・強みの技術をそのまま活用できる
・発注量に対する生産となるため売れ残りや在庫のリスクが低い
・宣伝・販売のコストが必要ない

(小売店の利点)
・小売店工事現場での消費者の声を商品に反映できる
・系列店舗のみの販売でオリジナル感を提供
・食品・日用品・衣類・家電など身近な製品が多い
・たくさん仕入れるため、価格を安く抑えられる

ようするに

●小売店がメーカーの協力を得ながら、製品の企画・設計・開発を主導する

●大型店舗全国展開する小売店の交渉力が増し、品質も向上した事で普及

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