6次産業 1次産業従事者が2次産業や3次産業まで事業を拡大

6次次産業(Six Industrialization)

農林漁業者(一次産業従事者)が、自ら連携して加工(二次産業)・流通や販売(3次産業)にまで事業領域を広げること。

一次産業の危機を救うため政府が本腰で主導する

冷凍食品、レトルトカレーやジャムなど、加工食品にはさまざまな商品がある。食料加工品は、農林漁業者(一次産業)が原材料を供給→加工業者(二次産業)が商品に加工→流通業者・小売業者(3次産業)が販売、という流れで消費者のもとに届く。

この連携に対し、現在、政府や自治体は衰退する日本の一次産業を守るべく、その従事者が全てを行う6次産業化を推進している。一次産業を担う地方の市町村で過疎化や高齢化が進み、従事者が減少する傾向を食い止めたいのだ。一次産業の衰退はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)で関税の撤廃や引き下げが起きれば、大量の格安食料品が輸入され、一層加速する恐れもある。

その前に一次産業を立て直したいわけだが、最大のネックは農林水産業の収益の不安定さ。肥料や原油が高騰すれば費用は膨らむし、天候などで生産量は激変する。また、この数十年で中食や外食産業が普及したが、2次産業や3次産業に比べ一次産業へ収益が還元される割合が小さかった点も見逃せない。

6次産業化は、こうした危険を立て直す手法と期待されている。一次産業の業者が、比較的安定した収益と利益率を見込める2次産業や3次産業へ進出していくからだ。

ハードルは高いが越えれば利益は大きい

6次産業化は、消費者にもメリットが大きい。それは一次と二次と三次の間に発生していた中間マージンがなくなり、食料品価格が下がる可能性があるため。さらに、原料から製品までの生産者の顔が見えやすく、食の安全性(トレーサビリティ)にも信頼が持てる。

とはいえ、成功までのハードルが高いのも事実。その理由は、まず二次産業である加工のプロセスで工場などへの投資額が大きいこと。工場稼働後は工程管理だけでなく衛生面の管理など様々な手間やコストの負担も必要だ。さらに、3次産業についても販売先の確保という問題がある。何のノウハウもない1次産業従事者が行うのは容易ではない。

成功例は花畑牧場だ。牛乳を生産する畜産業者が生キャラメルを生産して直営店で販売し、一大ブームを引き起こした。また、山形の平田牧場は養豚業だったが、とんかつや豚肉料理を提供するレストランを展開して人気となった。加工品販売なども行い、年商は150億円に達している。

●6次産業化で一次産業の経営安定化を狙う

要するに

●農林水産業者が単に食材を収穫するだけではなく、食料加工品を製造したり消費者に販売するようになること

●TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を踏まえて、政府が一次産業の競争力を高めるため本気で推進。

ただし!

最も問題になるのは宣伝・販売。まず、いかにして売るかという部分をしっかりしておかないと絵に描いた餅になる。このような垂直統合型を成功させるには、全体を仕切ることが出来るプロデューサーが必要である。

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