レザーブレード(ジレットモデル) 最初は本体を安く買ってもらい、付属品や消耗品で後から稼ぐ 

レザーブレード(Razor and Blades)

商品の本体を比較的安く販売して、商品に使用する付属品や消耗品で長期的に儲ける手法のこと。

カミソリは本体が売れればずっと替刃が売れる

レザーブレードモデルの始まりは、米国ジレット社の使い捨て型の剃刀。使い捨て型の剃刀本体(柄)を比較的安価に売り、剃刀の刃を継続的に購入してもらうことで、儲ける事に成功した。そのため「ジレットモデル」や「カミソリの刃モデル」ともいう。

このモデルを採用する狙いは、継続的な売上と比較的高い利益率だ。一度製品を買ってもらえば、自社の付属品や消耗品で継続的に売上の確保が期待できる。消耗品や付属品は本体に比べて絶対的な価格が低いため、利幅を少し大きくしても購入してもらえる点も見逃せない。

消費者にもメリットはある。本体を一度購入すれば、消耗品や付属品を買うだけで同じ商品を長く使えることや、本体価格は比較的安いので、「試し買い」がしやすい点だ。

レザーブレードの代表はエプソンなどの複合機メーカーだ。プリンタやスキャナー機能など多機能であるため、製品本体は高額商品だが、それをあえて比較的安く販売。インクやトナーなどの消耗品の販売収入や、保守点検料などで、後から儲けている。

また、ネスレもこのモデルを採用している。エスプレッソマシンを安く販売した後、専用のエスプレッソカプセルで稼いでいるのだ。

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早期の「乗り換え」や付属品の競合は脅威

携帯電話の販売もレザーブレードの一例だ。新規加入時にはタダ同然の格安料金で端末を提供するが、契約期間を縛り、通話料やパケット料を安定的に徴収する。最も、携帯電話の市場は現在厳しい。競争激化で月額料金の引き下げ圧力がある上、他社のサービスエリアへの「乗り換え」リスクもあるからだ。

中国や台湾の格安製品もこのモデルには脅威だ。例えば、デジタルカメラの場合、メーカーは販売後も充電池など付属品の買い替えで儲けを願う。だが、中国製や台湾製の格安なものがamazonなどで楽に手に入ると、顧客はそちらに流れてしまう。メーカーは自社が生産する製品を推奨はできるが強制はできないのが辛いところだ。

こうした状況から、本体を高く売り、付属品などを安く提供するという「逆替刃モデル」も登場している。好例はアップル。iPadやiMacなどの本体価格は高額だが、パソコンに必要なOSやiTunesのアプリは無料か格安で提供し、製品への愛着やお得感を演出している。

●初回に安く売り、継続的な売上で利益を出す

(初回)
・格安または無料で提供(本体+使い続けるために必要な商品やサービス)

(次回以降)
・やや割高な価格で提供(割り引いた本体の元を取るため)(消耗品やサービスという「使い捨て」の部分を繰り返し売って利益を出す)

(売る側のメリット)
・「使い続けるか分からない」との不安から来る買い控えを防ぐ
・市場を一気に広げて顧客との接点を持つことができる
・消耗品やサービスの購買で顧客の囲い込みができる

(課題)
・消耗品・サービスを買い続けるだけの価値の提供が必要
・短期に利益を出そうとすると消耗品・サービスに割高感が生まれる

○このモデルを使った販売例
・カミソリ+替え刃 ・電動歯ブラシ+替えブラシ ・プリンタ+交換インク
・電子書籍リーダー+電子書籍 ・コーヒーメーカー+コーヒー豆
・ウォーターサーバー+水 ・携帯電話+月額使用料 ・課金アプリ+ゲーム内課金
・ゲーム機+ゲームソフト ・無料のスクールレッスン+それ以降の授業料
・エレベーター+メンテナンスなど

要するに

●カミソリ本体が売れればカミソリの刃も売れる。だから剃刀本体は利益度外視で売って、カミソリの刃に利益を乗せて売るという仕組み。

●早い段階で乗り換えられると、期待通りに回収できないおそれがある。消耗品・付属品が高すぎると不信感を呼ぶことも。

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