ダイレクト販売 メーカーが中間業者をスキップして直接顧客に販売し利益拡大

ダイレクト販売(Direct Sale)

企業が、流通業者や小売業者を介さずに、消費者に対して自社の製品を直接販売する事。中貫モデルとも言う。

卸問屋や小売店を通さず利幅が大きくなる

商品が消費者に届くまでには、一般にメーカー→卸問屋→小売店→消費者という流れがある。ダイレクト販売は、卸問屋小売店を飛ばして、メーカーが、直接的に消費者に自社商品を販売する手法だ。

川下統合にも似ているが、取引を「スキップ」するという点が異なる。ダイレクト販売の狙いは、利益のアップ。従来の流れでは、卸問屋や小売店が得ていた中間マージンや報酬を、自社の利益とすることができる。もちろん価格を下げて競争力を向上させたり、宣伝広告に費用をかけることも可能だ。

消費者にとってのメリットは、従来の商品よりも低価格で購入できる事。また中間業者がいないため、生産者の顔が見えることで、安心感を得ることもできる。

一方、ダイレクト販売の難点は、顧客の確保。電話やネット販売だけでは購入層が限定されてしまう。顧客層の拡大には、マーケティングのノウハウや費用も必要だ。多数の消費者への配送手続きや顧客情報の管理なども簡単な話ではない。返品対応やアフターサービスなど販売に関わる業務も整える必要がある。

グリコの新しいダイレクト販売

ダイレクト販売を実践する企業が配慮すべきなのは、卸問屋や小売店との関係性だ。実際、文具大手のコクヨが運営するカウネットは、卸や小売店に配慮し、チャネルが衝突しないネット販売となっている。

一方、独自のスタンスで成功したのがアスクル。もともとプラスというメーカーの一部門だったが、1997年に独立。カタログやネットから文房具などのオフィス用品の注文を受け、原則として翌日に届ける仕組みを展開して業績を伸ばしている。Amazonを除く通販業者で、売上高No.1になった。

また、グリコの「置き菓子」もダイレクト販売の一つ。契約企業のオフィスの空きスペースにボックスや冷蔵庫を置き、中にグリコのお菓子を入れておく。オフィスワーカーたちは、好きな時に好きな商品を選んで、備え付けのカエル(集金箱)の口に代金を入れる。

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価格は原則1つ100円。置き菓子ボックスが設置されているオフィスは約10万と、セブンイレブンの店舗数約1.8万を大きく上回る。

その他、デルやアクサ生命など、外資系の企業では、しがらみが無いせいか、ダイレクト販売を積極的に取り入れているところが多い。

●ダイレクト販売のメリット・デメリット

(利点)
・中間マージンを削減し低価格で提供
・ロングテール戦略を採用できる
・細かなカスタマイズ要求に対応できる
・顧客との新しい関係を構築できる

(課題)
・決済システムやコールセンターなどの整備が必要
・取引のあった卸業者や販売店との関係が悪なるかも
・卸業者などを経由しないとアクセスできないチャネルがある

要するに

●卸問屋や小売店が得ていた中間マージンや報酬を、自社の利益とすることができる。

●販売先の確保や顧客データの管理など、新たなノウハウと設備が必要となる。

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