アンバンドリング 経営資源を特定分野に集中することで競争力を上げる

アンバンドリング(Unbundling) バリューチェーンを分解して、特定の業務に特化する手法をいう。自社の強みをいかして経営資源を有効に活用する。

バリューチェーンを分解して特定業務に特化

購買→製造→出荷→サービスと商品が顧客に届くまでに、価値が付加かされていくバリューチェーンのうち、特定の業務に特化するのがアンバンドリングだ。

アンバンドリングの狙いは、自社の強みのある分野に集中して、競争力を上げること。切り捨てた事業に関わる経営資源を節約し、事業の収益率を上げることもできる。

アンバンドリングの好例はセブン銀行だ。商品開発(預金商品)→システムでのデータ管理→マーケティング(チラシ・コマーシャルなど)→販売・決済(営業店・ATM)という本来の銀行のバリューチェーンのうち、ATMだけに特化して成功している。

また、電力会社でもアンバンドリングの動きがある。発電→送電・送電→小売という一般的なバリューチェーンのうち、太陽光発電や風力発電など発電部分だけを行う事業者も出始めた。2016年には小売部分に特化した事業が始まる予定だ。その他、「ほけんの窓口」という保険の販売部分だけに特化した保険販売専門会社や、オリックス・サービサーのように債権回収を専門とする企業もこのモデルだ。

飾りをとって安くする「ノンフリル」モデル

アンバンドリングと似た考え方に「ノンフリル」がある。アンバンドリングがバリューチェーンの分解なのに対し、ノンフリルはサービスを分解する(ただし、広義のアンバンドリングに含める場合もある)。フリルとは装飾のこと。つまりノンフリルは、飾りがないという意味だ。例えばLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)は、ANAやJALなど従来の航空サービスから、「広い座席」「機内サービス」「預け荷物」と言った「飾り」を取りはらった。その代わりに安い航空運賃を提供している。

QBハウスなどの1000円カットは、理容店のサービスから「シャンプー」「髭剃り」「ドライヤー」「リラックスする気雰囲気」などを省いて、低価格を実現。シャワールームなどを取り除いたフィットネスジムのカーブス、格安で泊まれるスーパーホテル、家具の組み立ては自分で行うイケアなどもノンフリルの例だ。

ノンフリルの弱点は競合相手の登場。もともと「分解したサービス」という目新しさと低価格が特徴なので、参入障壁が比較的低い。競争激化で価格を引き下げると、十分な利益を確保出来なくなる。

●事業やサービスを特化し低価格で差別化

○バリューチェーンを分解」(アンバンドリング)
○サービスを分解(ノンフリル)

(パッケージとして販売)
例:
・航空サービス:輸送+居心地+手荷物運搬+座席変更などの対応+機内サービス
・ガソリンスタンド:給油+窓拭き+各種サービス
・ホテル・旅館:宿泊施設+居心地+アメニティ+サービス+料理

(オプション化)
例:
・格安航空会社(LCC):輸送に特化。座席は狭く、対応範囲も狭い
・セルフガソリンスタンド:給油施設に特化。自分で給油して会計する
・カプセルホテル:宿泊施設に特化。広さやもてなしは通常期待しない

要するに

●バリューチェーンを解体して特定の事業に特化し、さらに強みをみがいて競争力を高めること

●「バリューチェーン」を分解するアンバンドリングに対して、サービスを分解する「ノンフリル」というモデルもある

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