ワンプライスショップ 均一価格と明快な価格設定で低価格志向の消費者を取り込む

ワンプライスショップ(One Price Shop)

自社の提供する商品やサービスを均一価格で販売すること。またそのような店舗のこと。

いっぱい買ってもらい、100円ショップは儲ける

ワンプライスショップの代表例は、100円均一ショップ。ダイソーは国内外に約4300店、セリアは約1200店、キャンドゥが900店を展開する。

100円均一ショップは、文具、衣料品、食品や日用品など幅広く商品をそろえ、均一価格で販売する小売業だ。その狙いは、均一価格というわかりやすい価格設定で、低価格志向の消費者を取り込むこと。仕入れ価格が10円のマグカップも、80円のカップ麺も全て同じ値段で売る。

この100円均一ショップがビジネスとして成り立つ条件の一つはコストの抑制。低価格で販売するには仕入価格を抑える必要がある。

そのため、自社で企画・開発を行い、生産は中国などの海外の工場に委託する。商品の多くはプライベートブランドだ。

品揃えも重要だ。単品毎の利幅が小さいため、多くの商品を販売し買ってもらう必要がある。例えば、スポンジでも、形や大きさの違う商品を並べる。スポンジの隣には洗剤を一緒に置き、買ってもらう工夫をする。

「100円ならいいか」という消費者の心理をうまく突き、大量の商品を販売できる店が競争を勝ち抜けるのだ。

取り巻く状況は厳しいが新たな均一価格も登場

すっかり消費者に浸透したが、ワンプライスのモデルを取り巻く状況は昨今、厳しい。

要因のひとつは消費者嗜好の変化。「モノ余り」の時代になり、消費者は「必要なものしか買わない」傾向にある。

また、原材料価格の高騰で仕入価格も上昇傾向にある。さらにコンビニのPBとの競争もある。例えば、ローソン100は2015年に入って全体の2割の閉店を決定した。低価格がウリなだけに、別の低価格商品の登場は、このモデルの脅威だ。

こうした厳しい状況でも成功しているのが、100円均一の回転寿司。スシロー、はま寿司、くら寿司などは、ファミリー層からの人気が高く、店舗網を拡大している。

また、居酒屋チェーンで成功しているのが鳥貴族。食べ物も飲み物も全て280円均一を武器に、全国で約400店舗を展開し、売上高は右肩上がりで180億円を超えた。

宿泊業界では、湯快リゾートグループが業績を拡大している。1泊2食で7500円という均一価格で全国に温泉宿を展開。夏休みや正月も同一価格で提供している。

●成功のカギはたくさん買わせること

○普通の小売店・飲食店
(弱点)
・顧客の価値観によって個々の価格が評価される
・買い控えが起こりやすい

○ワンプライスショップ
(利点)
・合計額を考えるストレスが減る
・「安い」イメージから買い控えが起きづらい
・結果的に客単価が上がることも期待できる

(課題)
・品質志向のニーズには応えづらい
・薄利多売になりがちな業種で一層薄利に
・飲食店では「安い食材=体に良くない」のイメージも

ようするに

●仕入価格が10円の商品も80円の商品も同じ価格に設定することで、買い控えを防ぐ

●原料価格の高騰や激しい価格競争、消費者の本物志向など、取り巻く環境は厳しいため、新たな生き残り策が必要

【広告】
  • このエントリーをはてなブックマークに追加