プライスリーダーシップ戦略 業界トップ企業として、価格支配力を握り、市場をコントロール

プライスリーダーシップ戦略(Price Leadership Strategy)

最大手企業が業界の価格帯を決める影響力を持つことにより、有利なマーケティングを展開していく経営戦略。

アイスクリームも飲料もなぜか値段はほぼ同じ

コンビニエンスストアにずらりと並ぶペットボトル飲料の値段は、ほぼ同じ。板チョコもカップラーメンも似たり寄ったりだ。別の企業の商品であるにもかかわらず、飛びぬけて高いものも安い物もない。私たちはこれを当然の事として気に留めないが、なぜこんな事が起きるのだろう。

これは業界1位の企業が、価格決定権を握り、プライスリーダーとして市場をコントロールしているために起こる。これをプライスリーダーシップ戦略という。

プライスリーダーは、業界シェアが最大で、強固な流通チャネルをもっている。販売量も大きいため、高価格戦略をとれば多くの利益が得られ、低価格路線をとっても利益額では2位以下を引き離し、体力勝負に持ち込める。

同業種の企業が話し合いを持ち、商品の価格を揃えることはカルテル(企業連合)であり、独占禁止法に抵触する。しかし、プライスリーダーが決定した価格に他企業が勝手に従うという図式はこれに当てはまらないのだ。

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業界全体の動向を見るトップがリーダーになれる

プライスリーダーシップ戦略は、まず寡占的、つまり少数の企業がシェアを独占する業界に顕著だ。自動車、テレビゲーム機、インスタント麺のように、top5までの企業が9割を独占しているような業界では、値下げの消耗戦をするより、価格をそろえて、広告やキャンペーンサービスの充実によって商品価値を高めようとする競争へとシフトしていく。これを非価格競争という。

一方、鉄鋼、石油、セメントなど標準品の大量生産がおこなわれる業界でも、プライスリーダーシップ戦略を見ることができる。原料高騰などの影響も受けやすいため、プライスリーダーは価格の安定に努め、長期的に安定して商品を提供できるよう、価格を調整していく。実はここにプライスリーダーシップに期待される大きな役割がある。

プライスリーダーが単に自社の利益のみを考えて、勝手なことを繰り返せば、消費者の反感を買い、社会的制裁を受ける可能性も出てくる。

本来は、トップ企業としての実績と体力があることに加え、価格政策について正確かつ誠実であるという業界内からの評価があること。そして、業界全体の行く末を予測しつつ、その利益の拡大を目指していく。そんな企業がとるべき戦略であるといえる。

●最大手の価格決定に業界が追随する。

要するに

●トップ企業は、プライスリーダーになることで業界への大きな影響力を持つことができる

●ただし、消費者の不利益をまねく可能性もあるため、企業モラルに則り適切に行使されるべき戦略である。

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