ブルーオーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)
既存市場から消費者ニーズを分析し、新しい価値観にもとづいた市場を構築。パイオニアとして優位性維持を目指す。
こんな発想があったか!新しい価値観の提案
最新トレンドを取り上げるニュース番組では、ブルーオーシャン戦略に成功した企業を多く見ることができる。例えば、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」などを続々オープンしている俺の株式会社は、高級食材を用い、一流シェフが腕を振るう料理を安価に提供。ただし、飲食は立ち飲みスタイルの狭いスペースであることが多く、基本的に居抜きの店を利用している。
1000円カットの先駆けとして知られるQBハウスでは、髭剃りもシャンプーもマッサージもなく、散髪のみ行う。所要時間は10分程度で、昼休みや隙間時間にふらりと立ち寄ることができる。
これまで当然のこととして受け入れられてきたスタイルを、ある企業が突然ひっくり返すのがブルーオーシャン戦略。「高級フレンチを安く食べられるなら、立ち食いだってOKですよね」。「カットだけならこんなに短時間で安くできますよ」というように、ユニークな着眼点で勝負を挑み、新しい価値観を創造する。
ライバルがひしめき合う市場(レッドオーシャン)での激しい戦いを避け、誰も足を踏み入れたことのない、美しい大海原(ブルーオーシャン)を目指す。この手法、成功すれば少なくともしばらくは独り勝ちの状態を謳歌できる。
新幹線に対抗して飛行機は簡素にバスは豪華に
新たな価値観を満たすために必要なアクションは、ざっくり言うと、機能を削って減らすか、新たに増やして付け足すか。
格安航空会社LCCは、サービス、快適な内装を取り除いて運賃を下げることにより、これまで飛行機は高いと敬遠してきた人をとりこんでいる。逆に長距離路線バスウィラーエクスプレスは、ラグジュアリーな設備を付け加えることで、中高年層への訴求力をアップさせた。LCCは機能を削減して、ウィラーエクスプレスは追加することで、それまでの新幹線を利用してきた消費者の新たな選択肢となることに成功している。
ブルーオーシャン戦略が成功してしばらくすると、当然、模倣する企業も登場してくる。パイオニア的存在としての優位性はあるものの、圧倒的資金と体力のある大企業が参入してくれば、その市場も早晩レッドオーシャンと化すことがある。
新たな戦略を組み合わせて実践しながら、常にライバルと戦っていくことが求められることには変わりない。
●競争のない市場(ブルーオーシャン)に進出する
(課題)
・ブルーオーシャンに進出しても顧客が集まるとはかぎらない
・時間がたてばやがて大手が参入してレッドオーシャン化することも
・ドミナント戦略や経営資源の大量確保、特定の市場(顧客層)を押さえるなどして、いち早くポジションを確立する必要がある。
要するに
●消費者の潜在的ニーズを掘り起こ、しまずは独り勝ち状態を目指すのがブルーオーシャン戦略
●不満・不便の解消や快適性・満足感の追求をすることによりアイデアが生まれる